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診療科・部門

心臓血管外科

診療実績・対象疾患

対象疾患

心臓血管外科一般・先天性心疾患(複雑心奇形・心房中隔欠損症・心室中隔欠損症)・後天性心疾患(狭心症・心筋梗塞・心臓弁膜症)・大動脈疾患(胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤・胸腹部大動脈瘤・急性大動脈解離)・末梢血管疾患(下肢閉塞性動脈硬化症・急性動脈閉塞・下肢静脈瘤)

診療実績

2017年の手術総数は463例であり、そのうち後天性心疾患148例、先天性心疾患26例、胸部大動脈瘤77例を合わせた心臓・胸部大動脈手術は251例となり、また腹部大動脈瘤70例を含めた末梢血管疾患は94例と、道内トップクラスの手術数を誇っております。

1)後天性心疾患

後天性心疾患のうち、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患については、カテーテルによる冠動脈インターベンションが困難である重症病変、あるいは左室瘤・虚血性僧帽弁閉鎖不全症などの心筋梗塞合併症などが手術対象となっています。単独の冠動脈バイパス手術の大部分は人工心肺を使用しない心拍動下冠動脈バイパス術(オフポンプ)で行い、さらに症例によっては左肋間小開胸による低侵襲胸骨温存手術(MICS)を選択し、高齢者や脳血管病変などの合併症を有する患者さんに対しても安全に手術が行われています。

心臓弁膜症においては、自己弁温存が可能な症例に対しては積極的に弁形成術を行い、人工弁が必要な場合、特に65歳以上の症例では抗凝固療法の不要な生体弁を使用し、QOLの向上を目指しています。僧帽弁手術では弁形成術を32例に行い、僧帽弁のみの手術症例では、胸骨正中切開を行わず右肋間小開胸でアプローチするMICSを積極的に行っております。またその延長上としてのDaVinciを用いたロボット支援手術についても現在準備中です。

大動脈弁閉鎖不全症に対しては自己弁を温存した弁形成術を積極的に行い、2016年は4例に施行しました。

また高齢化社会を反映して加齢による大動脈弁狭窄症が増加しており、当科では80歳以上の患者さんに対しても積極的に弁置換術を行って良好な成績をおさめていますが、合併症や体力などの問題で開心術のリスクが高く弁置換術の適応とはならない患者さんに対してはこれまで有効な治療法はありませんでした。当院では2014年6月に道内で初めて経カテーテル的大動脈弁留置術(Transcatheter Aortic Valve Implantation; TAVI)を開始し、2018年3月末までに道内随一の120例を超えるハイリスクの患者さんに施行、全例元気に自宅退院させることができました。循環器内科・麻酔科・心臓血管外科の診療科および臨床工学部・診療技術部・臨床検査部・看護部でハートチームを形成し治療にあたっている成果と考えており、今後も推進してまいります。

2)先天性心疾患

先天性心疾患に対しては、術前・術中・術後を通して常に小児循環器科医と共に診療にあたっており、手術手技・周術期管理の進歩も相まって、新生児の複雑な心奇形に対する外科治療(完全大血管転位症に対するJatene手術など)の手術成績も飛躍的に向上しております。心房中隔欠損症・心室中隔欠損症などの単純心奇形に対しては、全胸骨正中切開を行わず、手術創が従来の半分以下の小切開手術を積極的に行って、多くの患者さんおよびご家族にご満足いただいております。また、当科は小児の重症心不全症例に対して心肺補助装置を用いることのできる道内では数少ない施設の一つであり、これまでに劇症型心筋炎や乳児特発性僧帽弁検索断裂症などを経験し、いずれも救命することができました。

小児循環器パンフレットのご紹介 Cardiac Surgery

3)大血管疾患

胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤に対しては、従来の開胸、開腹による人工血管置換術に加え、高齢者や合併症を持つハイリスク症例に対するカテーテル的ステントグラフト留置術(TEVAR、EVAR)を行っています。高齢化やデバイスの改良発達により適応症例も増加し、また当院では2013年より大動脈血管内治療センターの開設、ハイブリッド手術室の設置導入により症例数も飛躍的に増加し、2017年のステントグラフト留置術は胸部大動脈瘤(TEVAR)33例、腹部大動脈瘤(EVAR)49例と多数の症例を経験しております。また開胸による胸部大動脈人工血管置換術も2017年は44例に施行しましたが呼吸機能が低下しているなど胸骨全切開が不利と考えられる患者さんに対しては胸骨部分切開によるMICSを6例に行い、術後合併症の回避と早期退院につながっています。手術内容も複雑かつ難度の高い手術を積極的に行っており、胸腹部大動脈瘤は1例、また大動脈基部病変に対する手術も人工弁付き人工血管を用いるBentall手術に加え、人工弁を用いず自己弁を温存したreimplantation法(David手術)を行い、良好な結果を得ています。

■心臓血管外科手術症例数(2017年1月〜12月)

全症例数 463例
心臓大血管手術症例数 (【1】、【2】、【3】の合計) 251例
【1】後天性心疾患[(1)+(2)+(3)] 148例
(1)虚血性心疾患 (①+②+③) 41例
①単独CABG(人工心肺使用冠動脈バイパス術) 8例
②OPCAB(人工心肺非使用冠動脈バイパス術) 24例
③心筋梗塞合併症(左室破裂修復) 9例
 1)心破裂:左室修復術 6例
 2)僧帽弁閉鎖不全:MAP+CABG 3例
*弁膜症手術に伴うCABG 10例
*胸部大動脈瘤手術に伴うCABG 8例
(2)弁膜症 (①+②+③) 112例
①単弁手術 48例
 1)大動脈弁手術(A)  
   大動脈弁置換術(AVR) 35例(MICS 1例、上行置換併施6例)
   大動脈弁形成術(AVP) 2例
 2)僧帽弁手術(M)  
   僧帽弁置換術 (MVR) 1例
   僧帽弁形成術 (MVP) 3例(MICS 2例)
②二弁以上 24例
 1)A+M 4例(AVR+MAP 3例、AVR+MVR 1例) 
 2)A+T 3例(AVR+TAP 3例)
 3)M+T 12例(MVR+TAP 7例、MVP+TAP 5例)
 4)A+M+T 5例(AVR+MAP+TAP 2例、AVR+MVR+TAP 3例)
③TAVI 40例(経大腿動脈 39例、経心尖部 1例)
(3) その他(①+②) 3例
①心臓腫瘍 1例
②心損傷 2例(CABG併施)
*不整脈手術 他手術と併施(Maze手術 5例、肺静脈隔離術 8例)
【2】先天性心疾患 26例
(1)体外循環使用 16例
①心房中隔欠損孔閉鎖術 6例(MICS 1例)
②心室中隔欠損孔閉鎖術 2例
③複雑心奇形 8例
(2)体外循環非使用 10例
①体肺動脈短絡術 2例
②肺動脈絞扼術+動脈管手術 5例
③弓部大動脈修復術 3例
【3】胸部大動脈瘤 77例
(1)開胸手術 44例
① 上行大動脈置換術 11例(急性解離10例、MVP併施 1例)
② 上行大動脈パッチ修復術 1例
③ 大動脈基部置換術 3例(Bentall 2例、David 1例)
④ 弓部大動脈全置換術 27例(急性解離10例、MICS 6例、MAP併施 1例)
⑤ 胸腹部大動脈置換術 1例
(2)ステントグラフト留置術 33例(緊急 9例:急性解離 4例、破裂 5例)
【4】末梢血管疾患 94例
① 腹部大動脈瘤 70例
 人工血管置換術 20例
 ステントグラフト内挿術 49例
② 下肢閉塞性動脈硬化症 10例
③ 下肢静脈瘤 8例(ストリッピング 8例)
④ その他(血栓除去術、仮性動脈瘤修復など) 6例

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