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診療科・部門

腎臓内科

当科の理念・診療方針

診療理念

(1)腎臓病を早期に診断し早期に適切な治療を行うことで将来の透析を回避する

一言で腎臓病と言っても、腎臓の機能が低下する病気には、いろいろな病気が存在します。とくに若年から中年にかけて発症する腎疾患は、早期診断、早期治療を行うことにより、腎機能を温存し、生涯に渡り透析にならないですむ治療法が確立している病気がたくさんあります。腎臓は「物言わぬ臓器」と言われ、初期段階では全く自覚症状がなく、何かしらの症状が出てきた頃には、かなり進行した段階になっていることがほとんどです。腎臓病を初期段階で見つけるためには、健診、とくに尿検査が非常に重要です。健診で尿異常を指摘された場合の考え方については、当院公式YouTubeで解説しておりますので、一度見てみてください(https://www.youtube.com/@teine.keijinkai_official)。
とくに早期治療により治療効果が期待できる疾患は、IgA腎症、一次性糸球体疾患、尿細管間質性腎炎、常染色体優性多発性嚢胞腎などがあります。

(2)慢性腎臓病の適切な管理を行い、心血管合併症を見つけ命を救う

原因の有無に関わらず、腎機能が3か月以上低下した状態を慢性腎臓病と呼びます。慢性腎臓病は、GFR(糸球体濾過量)と蛋白尿(またはアルブミン尿)によりステージ分類されますが、ステージが進行すると透析リスクが高くなるのみならず、脳卒中、心筋梗塞、心不全、大動脈解離などの心血管死のリスクが高くなることが知られています。つまり透析回避のみを念頭に慢性腎臓病の管理・治療を行うと、透析になる前に命を落としてしまう人がたくさんいるということです。したがって慢性腎臓病の管理は、心血管病の早期発見も重要です。中高年で発症する慢性腎臓病は、糖尿病関連腎臓病(DKD)や高血圧性腎硬化症など、いわゆる生活習慣病による腎臓病が多くを占めています。腎保護・心保護の両面から、レニン・アンジオテンシン系阻害薬を軸とした血圧管理が重要な他、最近はSGLT2阻害薬、アルドステロン受容体拮抗薬、GLP-1受容体作動薬など、腎保護・心保護効果の示された薬剤が登場しており、これらを組み合わせることによって心血管死を防ぎ、透析を回避できる可能性があります。進行したステージ3b以上の慢性腎臓病では、適切な管理により透析導入を少しでも遅らせること、透析が回避できない場合はスムーズに透析に移行することが治療の主眼となります。このステージではとくに減塩が重要です。対象の患者さんには1週間の「腎不全教育入院」をしていただいておりますが、腎臓の機能や後述する腎代替療法について学習していただく他、減塩食を提供し、それに慣れていただくことが入院の大きな目的の一つとなっております。

(3)進行した慢性腎臓病では、その人に合った腎代替療法を提供し命を救う

残念ながら初めて当科を受診された時点で、すでに進行した慢性腎臓病となっている患者さんが多くいるのが現状です。この場合早ければ数週間から数か月で腎機能が廃絶してしまいます。何もしない場合は、その時点で寿命となってしまいます。このような患者さんが生命を維持するために必要な治療を腎代替療法(じんだいたいりょうほう)と呼びます。腎代替療法には透析と移植があり、透析は血液透析と腹膜透析、移植は生体腎移植と献腎移植(脳死など亡くなった方から腎臓の提供を受けるもの)があり、日本では90%の患者さんが血液透析を選択しています。それぞれの治療に一長一短があり、患者さんのライフスタイルに合った治療の選択を、患者さんと医療者で一緒にしていきます。現在当院では腎移植を行っていないため、腎移植を希望される患者さんには、腎移植を行っている病院を紹介しています。

腎臓が心配な方、腎臓病で悩んでいる方へ

腎臓病は早期発見、早期治療が重要です。健診で尿異常やGFR(糸球体濾過量)低下により「要受診」となった場合は、放置せずに医療機関を受診することをお勧めします。健診での尿異常やGFR(糸球体濾過量)低下について当院公式YouTubeで解説しておりますので、一度見てみてください(https://www.youtube.com/@teine.keijinkai_official)。
かかりつけ医のいる患者さんは、まずはかかりつけ医にご相談ください。医師の視点から専門医の診察が必要と判断されれば、適切な病院を紹介してくれると思います。

現在、様々なサプリメントや民間療法が書籍やインターネットで紹介されておりますが、医学的に腎保護のエビデンスが確立されているものはありません。一言で腎臓病と言ってもいろいろな病気がありステージも異なりますので、対応や治療については専門医の判断が重要です。病気の種類やステージによってはサプリメントや民間療法により病状を悪化させてしまうことがあるのでご注意ください。

慢性腎臓病の治療は、検査データの正常化よりも透析を回避することの方が数倍重要です。一方、透析が必要になった場合は、現状を受け止め「透析を続けながらいかに幸せに長く暮らしていくか」へ気持ちを切り替えることが肝要だと思います。当科ではそのお手伝いをさせていただくような診療を心がけております。

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