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診療科別ロボット支援手術詳細ガイド

診療科別ロボット支援手術詳細ガイド

Department-specific Robotic Surgery

診療科別
ロボット支援手術
詳細ガイド

泌尿器科・婦人科・呼吸器外科における手術の特長、 臨床データ、入院期間・費用・リスクについて 各科の専門医が詳しく解説します。

226
消化器外科(2025年度)
149
泌尿器科(2025年度)
21
婦人科(2025年度)
20
呼吸器外科(2025年度)
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消化器外科 — Gastrointestinal Surgery

食道・胃・大腸・肝胆膵にわたる消化器がんのロボット手術。2025年度は年間226件を達成し、北海道内トップクラスの実績を誇ります。

Gastrointestinal Surgery

消化器外科におけるロボット支援手術

食道癌・食道胃接合部癌(ロボット支援食道切除術)

ロボット支援下での精密なリンパ節郭清と機能温存再建

ロボット支援手術により、反回神経周囲リンパ節郭清を精緻に実施。術後の肺合併症リスクを大幅に低減します。呼吸機能の低下や肺手術既往のある症例には縦隔鏡下手術も選択できます。また食道胃接合部癌に対しては、機能温存を目指した噴門側胃切除+逆流防止機能付加再建(食道–残胃吻合 mSOFY再建;Y Yamashita et al.)を導入し、術後の胃食道逆流を抑制しながら胃を温存する低侵襲手術を提供しています。

胃癌(ロボット支援胃切除術)

精緻なD2郭清と吻合の安全性向上

胃周囲の複雑な血管・神経走行を10倍拡大視野で確認しながら、標準治療であるD2リンパ節郭清を安全かつ精密に実施。体内吻合で縫合不全リスクを低減します。2025年度:34件

直腸癌・結腸癌(ロボット支援大腸切除術)

骨盤深部での自律神経温存と精密郭清

骨盤の最深部に位置する直腸癌では、排尿・性機能を司る自律神経の温存がQOLの鍵です。ロボットの関節機能により骨盤深部での精密操作が可能。直腸42件・S状結腸42件(2025年度)

膵癌・肝臓(ロボット支援膵切除・肝切除術)

出血最小化と確実な血管処理

高難度手術の膵・肝手術にもロボット手術を積極的に導入。精密な血管処理と止血操作により、輸血率の低減と術後合併症の減少を実現。膵体尾部切除(DP)21件・膵頭十二指腸切除2件・肝切除17件(2025年度)

術後回復の目安(消化器外科)

翌日
術後翌日
歩行・飲水開始
ドレーン管理中
3〜4日
食事開始
流動食から
段階的に
7〜14日
退院
術式・経過により
前後
1M
1ヶ月後
社会復帰
外来フォロー開始
【消化器外科 ロボット手術の標準的プロセス・費用・リスク】

🏥 入院期間:7日〜14日間程度(術式・術後経過により異なります)

💴 費用:食道癌・胃癌・大腸癌・膵癌・肝臓に対するロボット支援手術は公的医療保険が適用され、高額療養費制度の対象となります。

⚠️ 主なリスク・合併症:縫合不全、膵液漏、出血、感染(腹腔内膿瘍)、腸閉塞など。術中の状況により腹腔鏡手術または開腹手術へ移行することがあります。

加藤 健太郎 先生
GI Surgery
加藤 健太郎
(カトウ ケンタロウ)
外科 主任部長
消化器病センター 副センター長
代表医師からのメッセージ
「骨盤深部に挑み続けて——
ロボットが変えた大腸癌手術の常識」

私のライフワークは大腸癌手術、特に直腸癌です。骨盤の最深部——前立腺や子宮、膀胱、そして排尿・性機能を司る自律神経が密集するこのエリアは、外科医にとって最大の難所のひとつです。腹腔鏡手術の時代でも、この領域の操作には限界がありました。

ロボット手術はその限界を塗り替えました。10倍以上の拡大視野と関節機能を持つアームにより、骨盤深部でも自在に動かすことができます。神経を傷つけることなく確実にがんを切除する——「根治性とQOLを同時に守る」という外科医としての理想を、ロボットが実現してくれています。

2025年度は直腸42件・S状結腸42件、計84件の大腸ロボット手術を行いました。「手術後も尿漏れや性機能障害なく、そして可能な限り肛門を温存して、自分らしく生きてほしい」——その一心で、骨盤深部に挑み続けています。ロボット手術の精緻な操作は、従来は人工肛門が避けられなかった症例でも括約筋温存を可能にすることがあります。大腸癌でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

食道癌 胃癌 直腸・結腸癌 膵体尾部切除 肝切除

消化器外科 認定プロクター(手術指導医)

各領域を専門とする指導医が、安全で高品質なロボット手術を支えています。

加藤健太郎先生
大腸
加藤 健太郎
外科 主任部長/消化器病センター 副センター長
高田実先生
膵・肝
高田 実
「高難度な膵・肝手術にロボットの精密性を活かし、安全な根治を目指しています。」
岡田尚也先生
食道
岡田 尚也
「食道癌手術は精密さの極致。ロボットの力を借りて、患者さんに負担の少ない根治を追求します。」
片桐弘勝先生
膵・肝
片桐 弘勝
「肝切除における確実な血管処理を、ロボットの精密な操作で安全に実現しています。」
京極典憲先生
京極 典憲
「拡大視野を活かした精密なD2郭清で、根治性と低侵襲性の両立を目指しています。」
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泌尿器科 — Urology

ロボット支援手術において最も長い歴史と豊富なエビデンスを有する診療科。前立腺がんをはじめ、主要な泌尿器悪性腫瘍(膀胱がん、腎盂・尿管がん、腎がん)のほぼすべてにおいてロボット手術が標準術式です。

Urology

泌尿器科におけるロボット支援手術

当院の泌尿器科は、ロボット支援手術において最も長い歴史と豊富なエビデンスを有しています。前立腺がんをはじめ、主要な泌尿器悪性腫瘍(膀胱がん、腎盂・尿管がん、腎がん)のほぼすべてにおいてロボット手術が標準術式となっています。ロボット手術の安定性からリンパ郭清範囲を広げた拡大手術や今までは難易度が高いと判断されていた手術へ取り組むことが、またその一方で良好な視野などから各種の手術で機能温存を目指すことが可能になりました。

ロボット支援前立腺全摘除術(RARP)

『癌を制御』と『尿禁制・性機能を温存』が可能に

骨盤の最深部にある前立腺に対し、10倍以上の拡大視野と安定した操作であることを活かし、前立腺を安全に摘出し癌を制御するとともに、尿禁制を司る括約筋や勃起神経を識別・温存。膀胱と尿道の緻密な吻合により、術後の尿漏れや狭窄などの合併症リスクを格段に低下させます。

ロボット支援腎部分切除術(RAPN)

温阻血時間 平均約13分を実現

4cm以下の腎がん(T1a)に対し、がんに近接して切除することで正常腎を温存。血流を止める「温阻血時間」が長くなるほど腎機能は低下しますが、ロボットアームでの正確な切除と運針により安全限界(30分)を大きく下回る平均約13分での迅速な縫合・止血を実現し、術後の慢性腎臓病(CKD)移行リスクを低減します。最近は4cm以上の腎がん(T1b)に対しても積極的にRAPNを行っています。

ロボット支援膀胱全摘除術(RARC)

ロボット支援下による侵襲低減

骨盤内の広範囲な切除と複雑な腸管再建を伴う高侵襲手術をロボット化により低侵襲化。尿路変更は身体状況・希望に合わせ、回腸導管造設術・新膀胱造設術・尿管皮膚瘻造設術を選択します。創部感染や腸閉塞のリスクを大幅に減らし早期の食事再開・社会復帰を実現します。

術後回復の目安(RARP)

1日
翌日
歩行開始・食事開始
尿道カテーテル留置中
7日
退院
7〜14日で退院
3M
3ヶ月後
尿失禁改善率
77〜80%
6M
6ヶ月後
尿失禁改善率
88〜91%
12M
12ヶ月後
尿失禁改善率
92〜97%

【臨床データ】術後後遺症の回復推移(標準指標)

評価指標 術後3ヶ月 術後6ヶ月 術後12ヶ月
尿失禁改善率(パッド1枚以下) 77.0%〜79.9% 88.4%〜91.0% 92.0%〜97.0%
性機能回復率(両側神経温存時) 早期回復段階 緩やかな上昇 70.0%〜80.0%

※術後1年以上経過しても改善しない重症尿失禁に対しては、「人工尿道括約筋埋込手術」等の二次的治療オプションも当院で対応可能です。

【泌尿器科 ロボット手術の標準的プロセス・費用・リスク】

🏥 入院期間:7日〜14日間

💴 費用:公的医療保険が適用されます。高額療養費制度を利用可能であり、自己負担額は所得区分に応じた限度額までとなります。

⚠️ 主なリスク・合併症:出血、周囲臓器(直腸・尿管等)の損傷、感染症、一時的な尿失禁、一時的な性機能障害など。重度の緑内障、脳動脈瘤の既往、極度の腹腔内癒着や肥満がある場合は適応外となることがあり、術中の状況により開腹手術へ移行する可能性があります。

下田 直彦
Urology
下田 直彦
(シモダ ナオヒコ)
泌尿器科 主任部長
代表医師からのメッセージ
「患者さんの人生の質を守るために、
ロボットが私たちに与えてくれたもの」

泌尿器科は、ロボット支援手術との相性がもっとも高い領域のひとつです。骨盤の最深部という、人間の手では到底届きにくい場所に、ロボットの精緻なアームが自在に動く。その光景を初めて体験したとき、外科医として「これは革命だ」と確信しました。

前立腺がんの手術で最も患者さんが心配されるのは、尿失禁性機能の喪失です。ロボット手術では、10倍に拡大されたHD映像の中で、神経や括約筋を肉眼では不可能なほど細かく識別・温存することができます。術後12ヶ月での尿禁制回復率92〜97%という数字は、私たちチームの誇りであり、患者さんへのお約束でもあります。

当科では腎部分切除においても、温阻血時間を平均約13分に短縮することに成功しており、術後の腎機能温存に大きく貢献しています。手術の精度が、患者さんの10年後・20年後の生活を変える。それがロボット手術の力です。安心して、私たちに手術をお任せください。

RARP(前立腺全摘) RAPN(腎部分切除) RARC(膀胱全摘) 神経温存手術
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婦人科 — Gynecology

子宮体がんなどの悪性腫瘍から子宮筋腫などの良性疾患まで幅広くロボット手術を実施。女性のQOL(生活の質)の維持と、早期の社会復帰に貢献します。

Gynecology

婦人科におけるロボット支援手術

子宮全摘術

精密な操作で安全な手術

子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症などの良性疾患や、子宮体癌・頸癌に対して、小さい傷で、3D画像を通して精密な操作が可能になるので、安全な手術を施行できます。

仙骨膣固定術

メッシュの確実な縫合による臓器脱予防効果を発揮

子宮脱や膀胱瘤などの骨盤臓器脱に、体内でメッシュを膣と仙骨に固定することにより、骨盤臓器が膣から脱出するのを防ぎます。ロボット手術による精密な鉗子の動きが、メッシュの確実な縫合をサポートし、手術の完成度を高めます。

術後回復の目安(婦人科)

翌日
術後翌日
歩行開始
経口摂取再開
4〜7日
退院
4〜7日程度
(術式により異なる)
2W
2週間後
外来診察
軽作業の再開
2M
2ヶ月後
通常生活
ほぼ完全復帰
【婦人科 ロボット手術の標準的プロセス・費用・リスク】

🏥 入院期間:4日〜7日間程度(疾患や術式により異なります)

💴 費用:子宮体がん、および良性子宮疾患(子宮筋腫・子宮腺筋症等に対する子宮全摘術・筋腫核出術)ともに公的医療保険および高額療養費制度が適用されます。

⚠️ 主なリスク・合併症:出血、血管損傷、尿管や膀胱・直腸などの近接臓器損傷、術後骨盤内感染、腸閉塞など。高度の腹腔内癒着や、術中の安全確保が困難と執刀医が判断した場合は、腹腔鏡手術または開腹手術へ移行することがあります。

和田 真一郎
Gynecology
和田 真一郎
(ワダ シンイチロウ)
産婦人科
代表医師からのメッセージ
「女性の身体に寄り添い、
傷を最小に、未来を最大に」

婦人科のロボット手術が私にとって特別な理由は、患者さんの「その後の人生」を守れるからです。子宮体がんの手術では、骨盤の奥深くで重要な神経や尿管が密集したエリアに対して、ロボットの精細な視野と繊細な動きが真価を発揮します。

良性疾患、特に子宮筋腫の核出術においては、将来の妊娠を希望される患者さんにとって、術後の子宮壁をいかに強固に縫合できるかが最大の課題です。ロボットアームによる多層縫合は、開腹手術に匹敵する強度を、わずか数ミリの傷口から実現します。

手術の翌日には歩いて病室を出て、数日後には退院できる。そして自分らしい生活にすぐ戻れる。「こんなに早く元気になれるとは思わなかった」という患者さんの言葉が、私たちの原動力です。身体への負担を最小に、可能性を最大に——それが当科のロボット手術に対する哲学です。

子宮体がん(RATH) 子宮筋腫核出術(RASC) リンパ節郭清 神経・尿管温存
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呼吸器外科 — Thoracic Surgery

肺がんや縦隔腫瘍を対象にロボット支援手術を実施。肋骨への負担を劇的に減らすことで術後痛を抑え、高齢患者様でも安全に早期離床できる環境を提供します。

Thoracic Surgery

呼吸器外科におけるロボット支援手術

肺がん(肺葉切除・区域切除)

胸郭(肋骨)への負担軽減と激しい術後痛の回避

従来の開胸手術では肋骨の間を大きく広げるため術後に強い痛みが長引きます。ロボット手術は完全鏡視下(小さな穴のみ)で行うため骨への負担がほぼありません。痛みが劇的に少ないため術後翌日からの早期歩行が可能となり、高齢者に多い「術後肺炎」などの合併症リスクを激減させます。

肺門部・縦隔腫瘍への精密アプローチ

心臓・大血管の隙間における安全なリンパ節郭清

従来の直線的な胸腔鏡器具では死角になりやすかった「肺動脈・肺静脈の根元」や「心臓に隣接する縦隔スペース」において、ロボットの関節機能が真価を発揮。血管を傷つけるリスクを最小限に抑えながら、進行がんに対する質の高いリンパ節郭清が可能です。

術後回復の目安(呼吸器外科)

翌日
術後翌日
早期歩行開始
胸腔ドレーン留置中
2〜5日
ドレーン抜去
空気漏れが
止まり次第
5〜10日
退院
肺瘻の状況等
により前後
2W
2週間後
社会復帰
外来フォロー開始
【呼吸器外科 ロボット手術の標準的プロセス・費用・リスク】

🏥 入院期間:5日〜10日間程度(術後の空気漏れの状況等により前後します)

💴 費用:原発性肺がん、および縦隔腫瘍に対するロボット支援手術は公的医療保険が適用され、高額療養費制度の対象となります。

⚠️ 主なリスク・合併症:術後肺瘻(空気漏れ)、出血(肺動脈等の大血管損傷)、無気肺、皮下気腫、不整脈、術後肺炎など。術中に制御困難な大出血や高度の胸腔内癒着が判明した場合は、患者様の安全を最優先とし速やかに開胸手術へ移行します。

加藤 弘明
Thoracic Surgery
加藤 弘明
(カトウ ヒロアキ)
胸部外科 部長
代表医師からのメッセージ
「肋骨を傷めず、痛みなく、
翌日から歩ける呼吸器手術を目指して」

呼吸器外科の歴史は、長らく「大きな傷、強い痛み、長い回復」と隣り合わせでした。肋骨の間を広げる開胸術は、がんを取り除いても術後の痛みが数か月続くことも珍しくありませんでした。胸腔鏡手術がその常識を根本から変え、さらに、ロボット支援胸腔鏡手術がその精度を飛躍的に向上させました。

現在では、肺葉切除のような主要な手術でも、翌日から歩行を開始できます。高齢の患者さんにとっての最大のリスクである「術後肺炎」も、早期離床によって大幅にリスクを下げられるようになりました。これは患者さんの命を守ることに直結しています。

私が特に力を入れているのは、心臓に隣接する縦隔領域への精密なアプローチです。従来の胸腔鏡では死角になりやすかった血管の根元でも、ロボットの関節機能により安全に郭清できます。「怖くて手術を躊躇していた」という方にこそ、まず一度ご相談いただきたいと思います。

肺葉切除・区域切除 縦隔腫瘍 胸腺腫 リンパ節郭清 内視鏡手術

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※ 本ページの情報は一般的な説明であり、個々の患者様の適応については担当医にご確認ください。

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