英語教育

UTMBレジデントの滞在

UTMB(テキサス大学)のレジデント、Nishanが約1ヶ月当院に滞在してくださいました。毎日のヌーンレクチャーでは糖尿病の血糖管理や高血圧についてなど、さまざまなテーマで研修医のリクエストに合わせた講義をいただき、大変勉強になりました!
北海道の滞在、楽しんでいただけていたら幸いです。
ありがとうございました!!

Nishan, a PGY3 at UTMB, is leaving Hokkaido after his 1-month stay at TKH.
Every afternoon, he gave us lectures on any topic we requested, such as DM and hypertension, and we learned a lot from him.
Nishan, thank you for coming all the way from Texas. We hope you had a great time with us.
SEE YOU AGAIN!!

TKHモーニングレポート

こんにちは!研修医2年目の照沼と申します。

2年目の研修医には、本ブログを担当するSNS係をはじめいろいろな係があり、それぞれが重要な役割を担っています。私は3人いるモーニングレポート係のうちの子分②ですが、代表して当院初期研修の特徴の一つである「モーニングレポート」(以下モーレポ)についてご紹介します!

○モーレポとは?

モーレポとは、ほぼ毎朝行われる1時間の研修医の教育のための時間です。内容は多様であり、当院指導医によるレクチャーの日もあれば、研修医による症例発表(日本語も英語も!)、エコーなどのハンズオンセッションなど、さまざまな形式で朝の学びの時間が確保されています。不定期で当院初期研修の卒業生による講演も行われ、海外で活躍されている先生や研究などアカデミアに専念されている先生の話も聞くことができ、キャリア形成の参考にもなります。

開催時間は7:30-8:30と早いですが、意欲的な研修医仲間とともに、学びの多い時間となっております!

○日本語モーレポの内容は?

救急対応、よく診る疾患の診断や初期治療、よく使われる薬について、感染症診療の基本、小児科の診察方法など、初期研修医としてマスターしたい基礎的な内容が中心となっております。レクチャーを担当してくださる指導医の先生方は皆とても教育熱心であり、モーレポは日々の臨床で浮かぶ疑問を解消する場としても重要と感じます。

また、レクチャーを受けるだけではなく、研修医が積極的に発表する機会も多くあります。症例を提示してディスカッションを行う症例検討会や、ローテートした科で勉強したことを共有する研修医発表などを通して、発表する研修医にとっても発表を聞く研修医にとってもアクティブに学ぶ機会となっています。

○英語モーレポとは?

当院の英語教育の一環としてモーレポは大きな役割を果たしています。英語モーレポは毎月のモーレポの半分弱を占めており、米国人医師によるレクチャーと当院研修医による症例発表が主な形式です。米国人医師はどなたもとても優しく、教育熱心であり、内科的な考え方をわかりやすく説明してくださいます。当院と提携しているテキサス大学 (UTMB) からは週1回レクチャーがあり、日本でもよく臨床の場面で遭遇する急性疾患の管理から、宇宙医学などの珍しい分野について話を聞くことができます。また、米国人神経内科医師により、月に1回神経内科のレクチャーをお願いしており、神経診察や神経学的異常の解釈について教えていただいています。

○英語に自信がないけど、ついていけるかな?

見学生でこれについて悩まれる方は多いです。実際のところ研修医の英語レベルはさまざまなので一人ひとりに合わせるのは難しいですが、継続的に英語に曝露されることで段々慣れて上達することを、私は同期を見てきて実感しました。米国人医師も研修医全員がネイティブでないことも理解しており、なるべくゆっくり、わかりやすく話すように配慮してくださいます。初めは全部聞き取れなくても、モーレポ内で発言して質問したり、モーレポ後に同期に確認したり、聞ける人にどんどん質問していくことで自信がつくと思います。

○モーレポのテーマは誰が決めるの?

モーレポの予定を組むのはモーレポ係ですが、随時研修医からレクチャー内容を募集しております。そのため、モーレポは研修医全員で作り上げるものと言っても過言ではありません!

○最後に

このブログを通して、モーレポの魅力は伝わりましたでしょうか?言葉だけではなかなかイメージが湧かないと思いますので、少しでも興味あればぜひ見学に来て、実際に雰囲気を味わってください!お待ちしてます!!

UCSF Rabih Geha先生が来日

初期研修医2年目の三瀬です。今回は、6月の総合内科のローテーション中にアメリカからRabih Geha先生が来日され、直接指導していただける貴重な機会がありましたので報告させていただきたいと思います。

Geha先生はUCSF (University of California, San Francisco)のAssistant professorであり、またClinical Problem Solversというオンラインコンテンツを通じて全世界の若手医師に臨床推論教育を行っている、Clinical reasoningのスペシャリストです。当院の朝のモーニングレポートでも、研修医が発表する症例に対して、共にディスカッションしていただいている先生です。

私が抱いた第一印象は、「なんて優しそうな人なんだ」でした。今までも画面を通じて、彼からは優しさはあふれていましたが、直接話してみると会話の一つひとつに思いやりを感じました。

Geha先生とのローテーションでは、朝のカンファレンスから始まります。新たな入院患者さんについてのプレゼンテーションと、入院中の患者さんのプレゼンテーションを英語で行います。そのあとに、Geha先生より各患者さんのメインの問題に関するレクチャーがあります。このレクチャーは、彼の知識の奥深さを感じるだけでなく、常に新たな発見がある刺激的な講義でした。その後、一緒に病棟回診をするのですが、そこでもGeha先生に驚かされました。診察に関しての質問をさせていただくと、診察についてどこに着目するかだけでなく、今後の方針についての助言であったり、日本とアメリカの医療における違いなど、期待した以上の回答が得られ非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。

Geha先生とのカンファレンスの様子

Geha先生から学んだことは、大きく二つあります。一つ目は、診断に対するアプローチの仕方です。日々診療していく中で、ただ鑑別疾患を上げるだけでなく、その鑑別疾患を上げるためにカテゴリーで分類し、思考過程をたどるプロセスをとることで漏れのない鑑別を上げていくことが可能になるのだと、改めて再確認することが出来ました。

二つ目は、学びに対する姿勢です。日々医療が進歩していくなかで、知識を更新し続けることは不可欠です。一方で、限られた時間の中での効果的に学び続けていくことは時として困難となることもあります。彼は、日々学び続けているだけでなく、自身がさまざまな教育の場を提供しています。私たちのモーニングレポートもしかり、このような場で学びをアウトプットしていくことで知識がより強固になっていくのだと感じました。

間近で彼の知識の深さや、教育に対する熱心さを経験することができ、これからの医学に対するとらえ方が大きく変わりました。1週間あまりと短い期間でしたが、かけがえのない貴重な経験をすることができました。

英語臨床教育の刷新をめざして 手稲渓仁会病院と米テキサス大学との正式提携 

みなさま、こんにちは。臨床研修部事務局です。

まだまだ降雪が続く北の大地北海道より、HOTな話題をお届けいたします。

医学書院さんの2023.02.13 週刊医学界新聞(レジデント号)第3505号の企画におきまして、当院臨床研修部長 星 哲哉 医師による「英語臨床教育の刷新をめざして 手稲渓仁会病院と米テキサス大学との正式提携」が掲載されました。

ぜひ、ご一読いただければ幸いです。

掲載記事は こちら から

米国人講師の長期来日

ブログ読みに来てくださった方、ありがとうございます。研修医2年目の波多野といいます。

今回のテーマは「米国人講師の長期来日」です。
9月に米国のUTMB (University of Texas Medical Brunch) から、Dr. von (内科医)、Dr. Rowen (小児科医)ご夫妻が、1ヶ月間来日されました。

幸運にも、その間の僕のローテが総合内科・小児科だった関係で、おふたりとそれぞれの科で関わることができました。形式的なプレゼンではなく、毎日カンファでリアルな患者さんについて議論して、ベッドサイドで一緒に診察をして、迷ったことがあればすぐに研修医室の隣にある彼らの部屋を訪ねて相談して…多くのことを学びました。

と、ここまで美化した思い出を書きましたが、実際は毎日英語でのプレゼンにも追われて、しんど…って思うこともたくさんありました(ご夫婦はともに教授クラスとのことで、はじめは超緊張しました)。何気ない会話も続かなかったりして、自分の英語力に幻滅する日もありました。

まぁそれでも1ヶ月もやれば、それなりにできてくるもので、またひとつ度胸をつけた1ヶ月になりました。「大変なことは終われば大体良い思い出になるからな(笑)」って誰かに言われたことありますが、そのとおりです。

本ブログの本来の目的である、当院の充実した教育活動のアピールはなんだかあまりできていませんが、こんな機会を提供してくれるのがうちの病院です。僕はもうあと半年しかここでの研修医生活は残っていませんが、これから2年間過ごす場所を探しているあなたに自信を持っておすすめできる病院です。

最後に、新千歳空港でのお見送りのときにとった写真です。スーツケースが6個ありました(笑)。

手稲渓仁会病院の医学英語教育

みなさま、こんにちは。研修医2年目(PGY2)の寺山です。
医師2年目となり、自分のできることも増え、診療に益々やりがいが感じられる今日この頃です。

今回は手稲渓仁会病院の医学英語教育についてご紹介します。

もともと当院には、常勤米国人医師によるベットサイドティーチングを10年以上続けてきた実績がありました。コロナ禍においてもZoomなど活用して、オンラインでのEnglish モーニングレポートや、カンファレンスの場で外国人医師による医学英語教育を継続しており、研修医にも海外留学を希望する人や医学英語を向上したい意欲ある人が集まります。

こうした実績に加えて、先日本ブログでも触れられていますが、この度当院は米国テキサス大学医学部(University of Texas Medical Branch at Galveston、通称UTMB)と正式に提携を組むことになりました!

具体的な形としては、今年の8月以降、UTMBから定期的に米国人指導医が来日され、ベッドサイドティーチングやEnglish モーレポが行われます。これまでオンラインでしてきたdiscussionなどが対面で行えるのはありがたいですし、とても楽しみですね!

そして、この提携の第一歩として、UTMBからDr. Miles Farrが来日され、数日間にわたって当院を視察されました。

Dr.FarrによるEnglishモーレポの様子

休日は、会食人数制限の院内ルールを守って、研修医達と4人以下のグループで食事や観光へ!札幌の食や文化を楽しんでもらえました。

医学英語教育が研修生活にここまで浸透している病院は、全国を探しても少ないのではないでしょうか。今後ますますUTMBとの交流は更に盛んになっていくでしょう!

少しでも当院の研修環境に興味が湧いた方は、ぜひ見学に来て下さいね。

8月、テキサス大学から教育担当米国人指導医の来日が決まりました!

みなさま、こんにちは。臨床研修部事務局です。とても嬉しいニュースをお届けします。

コロナの感染拡大以降、当院は教育担当外国人指導医の来日が叶わない状況が続き、英語での医学教育をオンラインで実施していましたが、ようやく入・出国条件が緩和され、今年5月米国テキサス大学(UTMB)よりDr.Farr(Assistant Professor/Associate Program Director)が来日されました。目的は当院での調印式です。調印式には当法人の田中理事長、成田副理事長、当院古田院長、栗本副院長、プログラム責任者の星医師(総合内科部長)が出席されました。5月2日、当院は正式にUTMBとの協定を結び、相互に指導医・研修医の派遣を行う教育支援が可能となりました。また、今年採用試験を受ける医学生の方の2023年度プログラムからは、P G Y2の選択期間の1ヶ月を利用し、UTMBでの研修が可能となるのです。

調印式

そして……

ついに今回、UTMBの米国人指導医の来日が決定しました!

今後、UTMBよりさまざまな診療分野の指導医が交代でいらっしゃる予定ですが、UTMB側のご配慮により、お一人目の派遣は日本の医療機関で勤務経験のある、日本語が話せる米国人医師とのこと。そのお心遣いにも感謝です。

当院では8月8日(月)からの受け入れに向け、現在入国手続き等の準備中です。

また、Dr.Farr来日時の研修医との様子は近日本Blogで公開予定。どうぞお楽しみに!

手稲渓仁会病院と米国大学病院のつながり

こんにちは。総合内科の増田と申します。

今回は、現在当院が米国の大学病院とどのような繋がりをもっているのか、どのような臨床渡米支援をしているのかについて、紹介したいと思います。

手稲渓仁会病院は、20年以上前から臨床渡米を目指す先生を支援するユニークな環境が整っています。この20年の合計として20人超の臨床留学者を輩出しています。実際、自分が2018年4月に当院で初期研修を開始してから、多くの先輩・同期・後輩が米国での臨床渡米(内科レジデンシー、家庭医療レジデンシー、救急レジデンシー、小児科レジデンシー、血管外科レジデンシー)を実現させました(2022年4月現在)。

私も近い将来米国臨床渡米を目指している身分ですが、臨床渡米を目指している人が他人に言われがちである「臨床留学なんて意味ない」「日本のトレーニングで十分」といった心無い言葉を当院に入職して以来一切耳にしたことがありません。

また、当院での研修・勤務は「USMLE取得や臨床留学のマッチングはハードルが高いけれども、短期間でも米国の医療を体験してみたい」という想いを持つ先生方にも適しています。

(1)米国留学Externshipへの参加

手稲渓仁会病院では米国の提携病院(後述の3カ所)へのExternshipの機会を提供しています。現時点では初期研修2年目は1週間、初期研修3年目(当院独自のPGY3プログラム)の先生は1ヶ月の院外研修が認められています。

Externshipの目的に関しては、将来渡米を目指す医師がUS clinical experienceを得るためだけでなく、「日米の医療の違いを学んでみたい」「臨床渡米やUSMLEはハードルが高いけれども短期間でも米国で研修してみたい」といった動機でも問題ありません。

(2)米国University Hospitalsとの交流

◆University Hospitals Cleveland Medical Center, Case Western Reserve University (CWRU) School of Medicine

OhioのClevelandにあるCWRUの大学病院でExternshipを施行することが可能です(診療科は要相談)。

また、選考基準や要件(※)を満たせば、提携先のCWRUで3年間Internal Medicine Residencyトとして臨床留学できる「Salmons Coming Back Program(別名:UHCMC International Scholarship Program)」というユニークな留学制度を設けています。University-basedのプログラムであり、日本では経験できない貴重な疾患も経験でき、また、Research 活動に従事する機会もあるプログラムです。当院で以下の要件を満たすと、米国のUniversity hospital のプログラムである University Hospital Cleveland Medical Centerの内科レジデンシーのポジションを得ることができます。

※現時点での要件としては以下のとおりです。

  1. ECFMG Certificate 取得者
  2. 院内選考通過者
  3. 院内選考通過後にCase Western Reserve University(CWRU)内科でエクスターン(4週間)を行い、面接を含め、高評価を受けること(ただし、COVID-19の流行状況によってはVirtual interviewに変更する可能性あり)。
  4. その後、マッチングを経てCWRUに正式採用。
  5. 他条件(勤務時間・ローテーション内容等)は他一般レジデントと全く同じ。
  6. レジデンシー修了後は米国内科専門医を取得でき、フェローシップへの応募以降も同条件。
  7. 専門研修を含む米国での全研修を終了後、手稲渓仁会病院で5年間の勤務義務あり。

*要件に関しては随時変更の可能性があります。

◆University of Texas Medical Branch at Galveston (UTMB)

2022年5月を以て、UTMBと提携が結ばれました。UTMBへの院外研修が可能になっただけでなく、2022年8月よりUTMBからさまざまな診療科(Internal Medicine, Family Medicine, Pediatrics, General  Surgery, OBGYNなど)から医師(Attending, Fellow, Chief Residentなど)が1~数カ月単位で当院をローテーションし、教育活動に従事してくださることになりました。教育回診やカンファレンスでの症例ディスカッションも開催されるほか、国際学会発表の準備、米国Residency/Fellowshipの準備など、さまざまなサポートをしてくださる予定です。

(写真提供:UTMB Vascular Surgery Residency 塚越隼爾先生)

◆University of Hawaii (JS Program)

2022年4月よりハワイ大学外科教授の町淳二先生が創立された一般社団法人JrSr(ジュニアシニア)との提携を開始し、JSプログラムの対象病院となりました。JS Program はUSMEL取得および海外臨床研修やフェローシップを目指す若手医師向けの研修プログラムです。ハワイ大学関連病院への臨床見学を実施しており、JSレジデントとして当院に勤務をするとUniversity of HawaiiへのExternshipに参加することが可能です。現在は、総合内科と提携を結んでいますが、今後、提携診療科が増えていく予定です。

このように、米国大学病院との交流の機会にも恵まれる点は、当院ならではと思います。

もしご興味を持った方は、気軽に見学に来ていただければと思います。