2019-12

地域医療研修のご紹介

初めまして。研修医2年目の都甲(とごう)と申します。ご存知の方も多いと思いますが、現行の臨床研修制度における地域医療の到達目標は、『患者が営む日常生活や居住する地域の特性に即した医療について理解し、実践する』であり、へき地・離島診療所、中小病院などで地域医療として1ヶ月以上の研修を行うことが必要とされております。私も11月に地域医療研修として、倶知安(くっちゃん)町にあります倶知安厚生病院で研修を行ったばかりですので、簡単に紹介いたします。

 倶知安町は、北海道虻田郡にあります総人口15,132人の町であり、世界的なスキーリゾートで有名なニセコと隣接していることから、国外から多くの観光客が訪れる国際色豊かな町です。町の一般的なスーパーを訪れると、南半球やアジア圏からの観光客と思われる方々が買い物をしており、まるで外国に来たかのような錯覚を抱きます。当然、医療面も国際色豊かで、ハイシーズンになると救急外来は外国人の方のスキー・スノーボード外傷で溢れ、その時期の研修医はひっぱりだこのようです。残念ながら、私が訪れた時期はまだスキー場がオープンしていないこともあり、外国人患者さんの診療機会は少なめでしたが、日本語で診療するのと異なり、診察に際しての声かけや病状説明が不足するなど、母国語以外で診療することの難しさを実感し、非常に良い経験をさせていただきました。
 また、普段は急性期の治療内容を学ぶことに精一杯で、患者さんがどのように元の生活に戻っていくかイメージが湧きにくいのが正直なところでした。倶知安厚生病院では地域包括ケア病棟を備えており、急性期治療を終え、病状が安定した患者さんに対して在宅や介護施設への復帰支援に向けた医療を学ぶことができます。患者さんおよびご家族とのIC、他職種との退院支援カンファレンス、退院後の訪問診療などを通じて、患者さんやご家族の思い、そしてそれを支援する職員の方々の思いに触れ、地域の方々がまたそれまでの日常生活に戻れるよう医師として精進しなければならないと、思いを新たにしました。
 このように、本来の地域研修に加えて外国人診療の機会にも恵まれる点は、倶知安厚生病院および当院ならではと思います。ご興味のある学生さんがいらっしゃいましたら、ぜひ一度見学に当院へ足をお運びください。
 最後になりますが、寒さ厳しき折くれぐれもご自愛ください。

倶知安厚生病院から望む羊蹄山(富士山に似た姿から、蝦夷富士とも呼ばれています)

2019年度 手稲渓仁会病院(TKH)オープンキャンパス 日程決定!

【一次締め切り:2020年1月31日】

日本の北端で新しいことに挑戦し続ける病院がある。
そんな手稲渓仁会病院の魅力を知ってもらうため、今年度も医学生向けにオープンキャンパスを行います。昨年度、医学部2~5年生で50名を超える参加があったため、上記の通り締め切りを設けさせていただきました。研修医と一緒に、医療現場・身体診察・仲間作りしませんか?この春、その一歩を、当院オープンキャンパスで。

○対象者:医学生〜英語が苦手な方から日本語が苦手な方まで。学年問わず〜
○日 程:2020年3月7日(土) 12:30 開場 13:00 開始予定
○内 容:※変更の可能性もあります。
3月7日(土)
・院内ツアー(ドクヘリ見学も)
・身体診察ワークショップ
・モーニングレクチャー外科編体験
・研修医と話す座談会・質問会
・チーム対抗、医学生クイズ
 終わり次第、食事会予定
3月8日(日)選択(参加・不参加自由です)
・外科手技シミュレーションセンター見学
・札幌・小樽観光
・家庭医療クリニック(予定)

参加ご希望の方は、こちらから参加登録をお願いします。

ご意見・ご質問のある方は、以下にメールして下さい。
tkhoc2020@gmail.com

たくさんのご参加をお待ちしています!

TKH オープンキャンパス実行委員

The elective at Te Omanga Hospice, New Zealand

こんにちは。2年目初期研修医の志村と申します。
寺田先生の記事にもありましたように、当院では国内外を問わず他施設での院外研修が可能です。私はニュージーランドのホスピスで4日間の研修をさせていただきましたので簡単にご紹介します。

北島の都市、ウェリントンの郊外にTe Omanga Hospiceは位置しています。ニュージーランドでは、多くの方が自宅で最期の時間を過ごすことを望み、それを実現しています。Te Omanga Hospiceは、外来・入院・在宅での緩和ケアを行なっている施設で、年間320人の患者さんを看取っているそうです。

ベッドは8床あり、終の住処というよりも、一次的に症状コントロールを行うための病棟としての役割が大きいことが特徴です。ホスピスで亡くなる方もいらっしゃいますが、多くの患者さんが入院中に症状コントロールを行いながら、家族会議を重ね、準備を整えて自宅へ戻って行きます。

家族会議は、本人、家族、医師、看護師、ソーシャルワーカーで大きな輪を組み、現状や今後の方針について共有する場です。一度、マオリ族の腎不全患者さんの家族会議に参加させていただきました。まず皆で祈りを捧げるところから始まり、現在の症状や今後などについてじっくりと話し合った後、皆で肩を組んで歌を歌い会議を終えました。会議自体はシビアな内容も含まれ、途中家族が涙する様子もあったものの、最後には皆、笑顔で前向きな発言をする様子が多くみられていました。

愛する者との別れは辛く悲しいものです。しかし、時間が限られているからこそ、命はより輝き、大切な時間を過ごすことができるのではと感じました。ニュージーランドの雄大な自然に囲まれ、優しい時間が流れるホスピスで、私自身が豊かな時間を過ごすことが出来ました。

日常とは全く異なる環境に飛び込み、新たな気づきを得られることが院外研修の醍醐味ではないでしょうか。院外研修を行うにあたり、お世話になった皆様にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。

Te Omanga Hospice, located in Lower Hutt, in the North Island of New Zealand provides inpatient, outpatient, and home-based palliative care. Thanks to the doctors and medical staff at both TKH and Te Omanga Hospice, I had the opportunity to visit there on an elective.
  Te Omanga Hospice has eight beds for patients who need acute symptom control or for terminal care but these days, many patients prefer to spend as much time, and ideally the end of their life in their own home.
 Family meetings play a vital role to achieve good quality of life for patients with terminal illness. I attended one of these family meetings for a Maori patient – it started with a Karakia, a prayer in the patient’s native language. After the prayer, we discussed the present situation, the patient’s goals and likely future prospects. We discussed what was needed for him, what could be provided and then set goals together. At the end of the meeting, we sang a song putting our arms around each other’s shoulders.
 Being separated from a loved one is never easy. However, they remind us of how precious life is. They teach us to live as if each moment is a gift. Dying is a normal process. Death is necessary for our life to be meaningful. The days I spent at Te Omanga Hospice were some of the most peaceful and serene of my life and made me realize the essential things in life.