2020-02

中国語診療を経験して ~倶知安厚生病院での地域医療研修~

 みなさん、こんにちは。初期研修医2年目の木村です。私は、現在倶知安厚生病院に地域医療研修に来ています。倶知安厚生病院での研修についての説明は以前のブログで紹介がありましたが 、今回は同院での冬期の研修についてご紹介したいと思います。

 冬の倶知安での研修の特徴といえば、外国人診療が挙げられます。救急外来に救急車で運ばれてくる方を診療することもあれば、総合診療科の外来に歩いて来られる方の診療を担当することもあります。また、主治医として入院管理を任されることもありました。倶知安厚生病院へ訪れる外国人はオーストラリア人が多い印象でしたが、香港や台湾を含めた中国系の方の数も多く、英語のみならず中国語での診療を求められる場面もありました。私は中国語が話せるのが特技であり、中国語診療を求めて倶知安を研修先に選びました。やはりニセコのパウダースノーを目当てにやって来たスキーやスノーボードの観光客が多いため、上下肢の骨折や捻挫などの整形外科的な疾患が一番多かったのですが、風邪や腹痛などのcommonな疾患で来る方も多くいました。

 日本人と外国人を比較すると、英語圏の患者さんは疑問点をそのままにしない方が多く、気になったことをすべて質問していた印象でした。私も頑張って英語で回答しましたが、時にはうまく伝わらずに通訳の方(冬季は深夜帯を除いて院内に常勤されています)を呼ぶこともあり、とても無力感を感じました。

 また、中国語圏の患者さんの診療において困難に感じたのは、中国医学の薬を内服している場合です。インターネットで調べても中薬に関する情報は中国語のものが多く、その情報も中国医学をある程度理解していないと難しい内容であり、どんな薬なのか調べるのに時間を要しました。はじめは外国人というだけでこちらが気構えてしまい、過不足なく情報を集めることだけに注力していましたが、慣れてくると私の心に余裕ができ、相手の状況を考えて話せるようになりました。

 冬の倶知安での研修は、前述したように整形外科疾患が多く、希望すれば夕方の救急外来に多く入ることもできるので整形外科志望の方にもオススメです。もちろん、研修の間のオフを利用してスキーやスノーボードを楽しみたい方にもぴったりです。どんな理由であれ、それを叶えてくれる環境が倶知安にはあります。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学 津島 隆太先生によるWeb講演会のお知らせ

みなさま、こんにちは。
いつもWeb講演会にたくさんのご参加をいただき、ありがとうございます。
今回は、1/28に本ブログでもご案内していた、ケース・ウェスタン・リザーブ大学 内科レジデントである、津島 隆太先生によるWeb講演会のお知らせです。
特に海外での臨床について関心がある方、是非ご参加ください。
もちろん無料です。
参加申し込みはこちらからお願いいたします。

外科 今村

BSLがちょっと楽しくなる医学のお勉強

初期研修医2年目の末吉利成と申します。ICUをローテーションした際に勉強した、酸素療法のデバイスについてシェアします。

 皆さんは、BSLで患者さんの鼻に管がついていたり、口にマスクがつけられている姿やその横に大きな装置が設置されているのを見たことがあるのではないでしょうか。何だろうと思ったことはありませんか。

 今回は、酸素療法のデバイスについて少しお話しします。

 酸素投与のデバイスには、ざっくり分けて2つのカテゴリーがあります。低流量システム、高流量システム2つです。

 低流量システムは、鼻カニューラ、マスク、オキシマスク™、リザーバーマスクがあります。高流量システムには、High flow nasal cannulaとインスピロンマスク™があります。これら2つは、名前の通り流量が違うのですが、低流量システムか高流量システムかは、分時換気量がある値を超えるか否かで分けられます。具体的には、人の1回換気量を500mLとし吸気時間を1秒とすると、30L/分となるため、これを境に上記の区分けとなります。

 それでは、なぜ分時換気量で分けるかというと、分時換気量以下の流量で酸素を流すと投与している酸素のみならず周りの空気も吸ってしまうのです。そうなると、投与されている酸素○L /分のほかに周囲の空気が混ざってしまい正確に何リットルが吸入されているのかわかりません。つまり、酸素○L/分で流しても個々人でFiO2が変動してしまいます。そこで出てきたのが高流量システムです。高流量システムは分時換気量より多い量を流すことで周囲の空気が混ざることを防ぎ設定した量の酸素を投与することができます。つまり、FiO2を設定することが出来ます。それなら、すべて高流量でよいのではとお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、低流量システムは高流量システムと比べると安全で容易に使用でき、簡便であることから好まれることがあります。加湿が不十分な高流量システムは気道乾燥による害を及ぼすので、加湿のための回路構成ならびに使用中の水分供給などの手間が、高流量システムの一部として重要になります。

 ICUでは患者さんを1日に3人前後受け持ち、全身管理を行います。その際、By systemという臓器別に問題を挙げていき介入するという方法で患者さんを把握、治療するのですが、全て把握しきるのは大変です。ですが、ICUを担当する指導医の先生方が、こちらが感謝してもしきれないほど、研修医の特性や、弱点をみながらしっかり熱心に指導して下さるので、非常に充実した1ヶ月を過ごすことが出来ました。この場をお借りしてお礼申しあげます。

 おいでよ、手稲渓仁会病院ICU!