脳疾患・脳卒中センター
「センター紹介」
センターの特徴

脳疾患センター

脳に起こる疾患は多種多様ですが、当センターで扱うのは主に以下に挙げる疾患です。

  1. 脳血管障害:脳・頚部の血管に生じる狭窄もしくは閉塞、脳血管に生じる動脈瘤や動静脈奇形
  2. 脳腫瘍:頭蓋骨の内部で脳や脳神経、脳を覆っている膜(髄膜)などから発生する腫瘍
  3. 頭部外傷:転倒や転落、交通事故などで生じる頭蓋骨骨折や急性・慢性の頭蓋内血腫
  4. 機能性疾患:片側の顔面に突発的な痛みを生じる三叉神経痛、片側の顔面の筋肉が自分の意図とは関係なくピクピク動く顔面痙攣

当センターはこれらの疾患に対する治療、特に外科的治療(開頭手術や脳血管内手術)を行っています。

脳疾患センターに在籍するスタッフは上記疾患全般に対応することが可能ですが、それぞれに得意とする専門分野を持っています。脳血管障害においては脳血管内治療を専門とする医師が脳動脈瘤に対するコイル塞栓術や頚動脈狭窄に対するステント留置術を行っているほか、脳血管疾患の外科治療を専門とする医師は脳動脈瘤に対するクリッピング術や閉塞性脳血管疾患に対する脳血管バイパス術や頚動脈内膜剥離術を行っており、患者さんそれぞれの病態やニーズに応じた最適な治療を選択することが可能です。脳腫瘍や機能性疾患においては、脳腫瘍や頭蓋底疾患の治療を専門とする医師が良性・悪性を問わず脳腫瘍摘出術を行っているほか、下垂体部腫瘍に対する経鼻内視鏡手術や頭蓋底腫瘍に対する各種頭蓋底アプローチを用いた摘出術などにも対応しています。三叉神経痛・顔面痙攣においては、最初は内服薬による治療を試み、薬による症状のコントロールが不良の場合は適切な手術治療を行います。

当センターでは、いずれの疾患においても患者さんの病状や年齢、社会的背景、全身合併症の有無を考慮しながら慎重に治療適応を決定することはもちろん、病態に応じた最良の治療方法を選択するように心がけています。また、手術に際しては、各種電気生理学的モニタリングやニューロナビゲーションシステムなどを駆使し、合併症のない治療を目指しています。

脳卒中センター

脳卒中は脳血管の疾患です。すなわち、脳疾患であると同時に循環器疾患でもあります。その治療にあたっては、脳神経の知識と高血圧や糖尿病など生活習慣病の知識、不整脈などの心臓病の知識が必要とされます。重症脳卒中では開頭手術や脳血管内治療などの高度な専門的処置が必要となりますが、一方で、軽症脳卒中においても麻痺や嚥下障害が後遺症として残り日常生活レベルの低下を惹起するため、内科的なアプローチが非常に重要です。

当院脳卒中センターの最大の特徴は、脳卒中内科医と脳神経外科医が診療科の垣根なく、チームとして脳卒中の患者さんに対応していることです。高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理や治療、血栓溶解療法や抗血栓療法などの内科的治療は脳卒中内科医が主体となった診療を行い、開頭手術は脳神経外科医が担い、脳血管内治療は脳卒中内科医と脳神経外科医がチームとして治療にあたっています。脳卒中チームには医師のみならず看護師や薬剤師、理学療法士などの多職種が関わることで脳卒中の治療効果がより高くなることがわかっています。すなわち、発症急性期から適切なリハビリテーションを実施し、薬剤やその内服方法などを選択し、患者さんやそのご家族の身体的・精神的ケアを適切に行うことで最大限の治療効果が発揮され、自宅復帰や社会復帰率の向上に貢献できます。当センターでは脳卒中ケアユニットを中心とした、脳卒中に特化し多職種で構成された脳卒中チームによる治療体制を整えています。

脳卒中は待ったなしの疾患です。わずかな時間のロスがその後の回復に大きく影響します。当センターでは、脳卒中のよりよい回復のために常に24時間対応可能な体制を整えています。また、より広域での対応もできるようにドクターヘリを用いた搬送システムを構築しています。

脳疾患・脳卒中センターの特徴をまとめました。その詳細をぜひご一読ください。