
田中繁道先生の後継として、2023年4月1日付で4代目の理事長を拝命致しました。就任までの1年間、副理事長としてさまざまな勉強の時間をいただいてまいりましたが、ハード・ソフト両面にわたる組織の大きさ、対象とする患者さん・利用者さんの幅の広さ、事業に関連する行政・企業の方々との多面的な関わりに、私自身未だに全貌を理解しきれていないとはいえ、背負ったものの重さに身の引き締まる思いであります。
この巨大な組織の舵取りが一人ではできないことは言うまでもありません。現場に出向いて多くの皆さんと意見交換を密にして、VUCA(※1)の時代にあっても渓仁会グループが進むべき方向を指し示し続ける羅針盤の役割を担っていきたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、医療法人渓仁会と社会福祉法人渓仁会は経営形態こそ異なりますが、これまでも渓仁会グループとして一体的な運営がなされてきました。それにより「保健・医療・介護・福祉」のあらゆる領域において、まさに「オギャア」と産まれてからお看取りまで、スローガンである『「ずーっと。」人と社会を支える』を実践して患者さん・利用者さんに寄り添いながら発展してまいりました。世界に前例のない"超"少子高齢社会に突入したわが国において、人の生活を基盤とした「地域包括ケアシステム」を洗練したものに創り上げていく上で、まさに私たちは「保健・医療・介護・福祉」の複合事業体として、大多数の住民から選ばれる存在であらねばなりません。
この大きな事業体を運営するにあたり、私たちが2004年度より拠り所としている理念がCSR(※2)経営であります。私たち医療法人、社会福祉法人は営利を目的とする組織ではありませんが、「公益性」と「持続性」を重視しつつ、質の高い「保健・医療・介護・福祉」事業を展開していくためには、健全な経営が根底になければなりません。2021年度からはSDGs(※3)の概念とも対比させながら、組織の内外に向けてCSR経営についての発信を続けてきました。VUCAの時代にあるからこそ、私たちはより一層CSR経営を推し進めてまいります。
ところで、社会のあらゆる場面でDX(※4)という言葉を目にするようになってきました。デジタル技術はすでに私たちの生活に様々な場面で深く浸透していますが、生産年齢人口が減少する中で、この技術を活用することにより少ない人数で従来の業務がこなせる、あるいは今までできなかったような仕事ができるようになるなど、わが国のあらゆる団体・企業がDXに取り組んでいます。その本気度、達成度がおのおのの組織の命運を分けていくと思われます。当面の間、私自身が、法人全体のDX責任者を兼務してこの問題に取り組んでまいります。
これからも『「ずーっと。」人と社会を支える』のスローガンのもと、社会にとって価値ある存在であるために、私たち渓仁会グループは進化し続けます。皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。
※1) VUCA:先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態
※2) CSR:企業/組織の社会的責任
※3) SDGs:国連が定めた持続可能な開発目標
※4) DX:デジタル技術を用いて新しい価値を創造すること
2023年4月1日