薬剤部 お薬のお話
医療法人 渓仁会 手稲渓仁会病院

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6「がん化学療法」

がん化学療法とはどういうものでしょうか

がんの治療には、手術療法、放射線療法、化学療法などがあります。一般に化学療法は、手術などが難しい患者さまに対して薬によってがんの進行を抑えるものです。がんの治療薬にはたくさんの種類がありますが、医学的根拠(エビデンス)に基づいた治療として、がんごとに臨床試験の結果に基づいたガイドラインがあり、それに基づいて治療を行います。

どのように服用するのでしょうか

がんの治療薬はがん細胞を攻撃するものですが、正常な細胞を攻撃することもあり、それが副作用となって現れることもあります。食べ物のアレルギーに個人差があるように、副作用にも個人差があり、必ず全員に同じ副作用が現れるものではありません。近年では、副作用を抑える薬も発達しており、それらを組み合わせることによって、以前であれば入院するしかなかったケースでも、通院治療が可能になってきています。通院しながら化学療法を続ける患者さまのために当院では「外来化学療法室」を設けており、安心して治療を受けられるように配慮しています。

いろいろな新薬が登場しているようですが

近年登場してきたものに「分子標的薬」という薬があります。先ほど、がん治療薬が正常な細胞も攻撃してしまうという話をしましたが、分子標的薬はがん細胞にある目印を標的として、その目印のある細胞を攻撃するもので副作用が少ないとされています。また、体の免疫力を高めることでがんと対抗する「がんワクチン」などといった新しい概念の治療薬も開発されてきており、この分野は日進月歩で私たちも勉強が欠かせません。

がんを専門とする薬剤師として、がんの告知を受け、がんと向き合う患者さまと多く接していますが、当院のがん治療は、医師をはじめ、看護師、栄養士、ソーシャルワーカー、薬剤師など、多くのスタッフが協働して治療にあたるチーム医療です。悩みをひとりで抱えず、スタッフの誰にでも気軽にご相談いただければと思います。

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