加齢に伴う味覚の変化

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味覚の変化

味覚は飲み込みや食欲にも影響します。 味覚障害の約75%は味覚の低下、あるいは味が全く分からないケースです。原因はいろいろありますが、薬剤による場合が最も多く、加齢とともに増加する傾向があり、高齢者では薬剤性の味覚障害は3人に1人といわれています。これは高齢になるにつれて薬を服用する機会が増えるためと考えられています。原因となる薬はわかっているだけで約150種以上もあります。(代表的な薬剤を表1に記しますが、必ずしも誰もが味覚異常を引き起こすわけではありません。) 味覚障害はどの薬でおきても不思議ではないのですが、薬剤以外にも亜鉛(味を感じる器官に必要な栄養素)そのものの不足、亜鉛の代謝と関係する腎臓や肝臓の病気、糖尿病、さらに口内炎などの口の中の病気でも起こります。味覚の異常を感じたときは、耳鼻咽喉科で原因を調べてもらうようにしましょう。 味覚は唾液の分泌量の減少や鼻づまり(香味を感じにくくなる)によっても低下するため、口腔乾燥や鼻咽腔の疾患にも注意が必要です。ただし、辛味は痛覚なので味覚ではありません。

表1:味覚に影響する薬剤(一部のみ)加齢に伴う[1]

  • 降圧薬(高血圧治療剤)
  • 糖尿病薬
  • 利尿剤
  • 抗生物質
  • 抗うつ薬
  • リウマチ用薬・強心剤
  • 抗がん剤
  • 咳止め薬
  • 向精神薬
  • 解熱鎮痛薬
  • 抗不整脈薬 ・骨粗しょう症治療薬

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