全失語について
* 全失語について
言葉を話すこと、理解すること、復唱すること、読むこと、書くこと、計算のいずれも重度に障害された状態です。
その場に合った発語はなく、あったとしても意味不明な語や発声を行う程度ですが、わずかに表出可能な語が残ることがあります(残語といって、ある特定の単語のみ表出可能な語がある症状)。
*全失語の症状
・ 話すこと
無言もしくは意味不明な発話・発声が多く、時に残語を発することがあります。
・ 聴いて理解すること
重度に障害されていることが多いです。実用性はありません。
・ 真似して言うこと
極めて困難です。
・ 読んで理解すること
重度に障害されています。実用性はありません。
・ 書くこと
重度に障害されています。模写も困難な場合が多いです。実用性はありません。
* 病巣
片麻痺を認める場合は優位大脳半球の病巣で、脳の中を通る中大脳動脈領域の広範な血管障害によるものとされています。同名半盲(どちらの眼で見ても片側半分の視野が欠けて見える症状)を合併するといわれています。
また、片麻痺を認めない場合は左前頭葉と側頭頭頂葉の2つの病巣が推定され、脳塞栓あるいは転移性脳腫瘍が疑われるといわれています。
-お問い合わせ- リハビリテーション部 言語聴覚士 平村 敬寛
Eメール chsreh@keijinkai.or.jp