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手稲渓仁会病院 循環器内科

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心房中隔欠損症(ASD) 手稲渓仁会病院 循環器内科

矢加部 大輔

心房中隔欠損症(ASD)とは、生まれながらに右心房と左心房に穴(欠損孔)が開いており、左心房から右心房に血液が流れ込み、様々な症状を起こす先天性(生まれつき)の心臓病です(図①、図②)。通常は心臓の聴診などで子どもの時に指摘されるのですが、無症状であることも多いため気づかれずにそのまま成人になるケースも少なくありません。

心房中隔欠損症(ASD) 図①
図①

心房中隔欠損症(ASD) 図②
図②

ASDでは、左心房から右心房に余分に血液が流れるため、肺や右心室に負担がかかり、息切れを起こすことがあります(右心不全、肺高血圧症)。また、不整脈(心房細動など)の原因となり、動悸を感じる人もいます。静脈の血栓(血のかたまり)が欠損孔を通って右心房→左心房→左心室→大動脈、と血液に乗って流れると、脳動脈を詰まらせて脳梗塞の原因ともなります。

ASDの治療法はこれまで外科的開心術しかありませんでしたが、2006年小児を対象としたカテーテル治療を皮切りに、成人の患者さんにも行われるようになりました。当院では2013年2月に道内で初めて成人のASD患者さんに対するカテーテル治療の実施施設の認定を受け、2013年5月より実際に治療を開始しています。

心房中隔欠損症(ASD) 図③
図③

心房中隔欠損症(ASD) 図④
図④

心房中隔欠損症(ASD) 図⑤
図⑤

具体的には、カテーテルで欠損孔にアンプラッツァー中隔閉鎖栓(図③)を埋め込みます。2枚のディスクで欠損孔を挟み込むことで穴をふさぎます(治療前:図C、治療後:図⑤)。入院期間は約1週間(検査入院が事前に必要な場合があります)、治療は全身麻酔ですが約2時間程度で可能です。当院では心臓血管外科、麻酔科、心臓超音波専門医などのスペシャリストが揃っており、かつハイブリッド手術室(カテーテル治療と心臓外科手術がともに可能な手術室)が完備していますので、万全の体制の中で治療を行っています。

ただし、すべてのASDにおいてカテーテル治療が可能というわけではありません。欠損孔周囲縁が広範囲で欠損している場合では、アンプラッツァー中隔閉鎖栓がうまく固定されないため、外科手術となることがあります。もしASDについてお悩みの方、またそのご家族の方や、主治医の先生がいらっしゃいましたら、いつでも当院までご連絡ください。

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