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診療科・部門

整形外科

アキレス腱断裂

当院でのアキレス腱断裂の手術治療について

手術療法の特徴

★術後1週から装具を使用して歩行開始
★術後8週から日常生活へ復帰
★術後12週からスポーツ復帰

注意:手術を行わないで治療する保存療法も行っております。下記に詳細を記載しますが、復帰時期は遅くなるものの、安全性やコストの面での利点はあります。

アキレス腱断裂とは

アキレス腱断裂受傷時

アキレス腱断裂受傷時

アキレス腱はかかととふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)をつなげている組織です。つま先立ちをするときや走るとき、ジャンプするときなどで重要な役割を果たします。アキレス腱断裂は、踏み込み・ダッシュ・ジャンプなどの動作でふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋) が急激に収縮したときや、着地動作などで急に筋肉が伸ばされた時に発生します。腱の退行性変性(いわゆる老化現象)が基盤にあると考えられていますが、若い人でも受傷する可能性があり、10代で受傷する人もいます。30~50歳のスポーツ愛好家に多く、レクリエーション中の受傷が多いのが特徴です。

 

症状

受傷時には、「ふくらはぎをバットでたたかれた感じ」とか、「ボールが当たった感じ」などの衝撃を感じることが多く、「破裂したような音がした」など断裂した時の音を自覚することもあります。受傷直後は受傷肢に体重をかけることができずに転倒したり、しゃがみこんだりしますが、しばらくすると歩行可能となることも少なくありません。 しかし、歩行が可能な場合でもつま先立ちはできなくなるのが特徴です。アキレス腱が断裂していても足首(足関節)は動かすことは出来ます。(日本整形外科学会HPより引用)

 

アキレス腱の図

  アキレス腱

アキレス腱の図 断裂後

   断裂時

 

診断

Thompsonテスト

多くの患者さんは自分でアキレス腱が切れたことをわかった上で受診されます。アキレス腱の断裂部分の陥凹(へこみ)に触れ、そこを押すと痛み(圧痛)があることが多いです。足関節は動きますが、力が上手く入らないため、歩行しにくくなります。うつ伏せで膝を直角に曲げた状態でふくらはぎを強くつまむと、正常では足関節が底屈しますが (Thompsonテスト)、アキレス腱が断裂するとこの底屈がみられなくなります。ほとんどの場合、骨折を伴わないため、通常のX線(レントゲン)検査では異常を認めません。

 

治療

保存療法と手術療法があり、それぞれにメリットデメリットがあります。ともに成績は良好で1年後の状態はどちらも大差がありません。治療法については患者さん一人ひとりの事情は異なるので、患者さん自身が選択することが可能ですが、主治医とよく相談してください。

 

●保存療法

メリット
・手術療法よりも費用が安い(入院が不要なため)
・安全(手術による合併症のリスクがない)

デメリット
・ギプスの固定期間が長い(約二カ月)
・歩行の開始時期が遅くなる(ギプスを除去してから開始)

 

【治療詳細】
ギプス固定をおこない、治療します。固定中は松葉杖を使用して移動します。入院の必要はありません。固定期間が長く、筋力が大幅に衰えるのでリハビリに数カ月を要します。最終的にもとの状態(スポーツへの復帰など)にもどるには8~9ヶ月かかることが多いです。

 

●手術療法

メリット
・ギプスの固定期間が短い(一週間程度)
・早く歩行が開始できる(術後一週間から歩行訓練開始)
・スポーツや仕事への復帰が早い(個人のリハビリの進行具合で変化)

デメリット
・保存療法よりも費用が高い
・感染など手術をすることによる合併症の可能性が発生する

 

【治療詳細】
手術方法には多くの種類があり、それによって麻酔方法、ギプスの固定期間、歩行開始時期などが異なります。原則3日間の入院治療(1日目入院、2日目手術、3日目退院)を行っており、術後2週間は自宅安静です。人によっては術後2週で松葉杖なしで装具を使用して歩行できる方もいます。術後12週(3カ月)以降で、スポーツ復帰や重労働(重い物を持ったりする仕事)への復帰となります。

 

手術療法の実際(内山法とPARSを用いた縫合方法の2種類)

・内山法

縫合方法1
アキレス腱の近位断端と遠位断端を縫合する方法です。

 

 

皮膚の切開はアキレス腱の直上に約10cm程度となります。
アキレス腱の近位断端を三股に分け、遠位断端を二股に分け、それぞれを編み込むように縫合します。

 

 

・PARSを用いた縫合法

縫合方法2 The Internal Brace
アキレス腱の近位端を縫合し、その糸を踵骨に固定します。

 

 
 

図において皮膚の切開は水平ですが、縦に切開します。
皮膚切開はアキレス腱の直上に約5cm程度のものが1カ所と、踵に1cm程度のものが2カ所となります。近位端は特殊な器具を使用して糸をアキレス腱の近位断端に縫合します。その糸を遠位断端に通して踵にネジを用いて固定します。

 

いずれの方法も保険診療範囲内で行うため、費用負担の差はありません。方法によってリハビリの予定は変わらず、全荷重の歩行時期、スポーツへの復帰時期の目安は変わりません。どちらが優れているかどうかということは証明されておらず、ともに合併症も少なく、復帰時期の早い良い縫合方法です。合併症として傷が膿んでしまう感染(1-20%)、縫合したアキレス腱が再度切れてしまう再断裂(3-10%)、神経を傷つけてしまうことによる足の甲のしびれの残存(3%以下)などの合併症の可能性はあります。

 

治療開始後について

装具

当院では治療中、装具の使用をお勧めしております。手術療法の場合は必須となります。装具は原則として治療前に患者さんの足に合わせて作成します。ブーツ型でかかとが持ち上がっており、アキレス腱の負担を軽減し治癒を促進します。かかとの高さを調整することができ、外来受診時に高さを低く調整します。歩行はしにくいですが、慣れれば補助なしで歩行することも可能となります。装具は専用のカバーがあるので屋内でも屋外でも使用できます。

 

荷重

保存療法の場合は治療開始後4週間足をギプスで固定し、固定した側の足には体重をかけられません。患者さんの状態に合わせて、治療開始後4~6週でギプスをしたまま部分的に荷重をかけていきます。その後、装具で全体重をかけていきます。装具なしで全体重をかけられるのは治療開始後4~5カ月です。
手術療法の場合、術後1週間は足をギプスで固定して、そちらの足には体重をかけませんが、術後1週程度でギプスをとって、装具を着用して全体重をかけていきます。装具なしで全体重をかけられるのは術後6週(1カ月半)です。

 

歩行

ギプスが外れるまでは基本的に松葉杖歩行となります。ギプスが外れたら装具を使用して歩行し、装具に慣れれば補助なしで歩行ができます。
保存療法の場合は治療開始後3カ月頃から補助なし歩行が可能となることが多いです。
手術療法の場合は術後4週程度で補助なし歩行が可能となる患者さんが多いです。

 

リハビリ

最初は歩行訓練から開始し、足関節の可動域訓練、運動訓練とリハビリの内容とを増やしていきます。最終的にはスポーツなどへの復帰に向けた筋力トレーニングが必要となります。
保存療法の場合、本格的な筋力トレーニングを開始するのは治療開始後5~6ヶ月です。
手術療法の場合は術後8週(2カ月)となります。

 

仕事復帰について

事務作業など、松葉杖や装具での歩行で業務が可能であれば、仕事への復帰許可をしています。職種によって状況が大きく異なるので、患者さんご自身で職場とご相談ください。また、重いものを持ち運んだりする重労働はスポーツができるほどの筋力が戻るまで許可できません。
ただし、手術を行った場合は手術創の安静のため、術後2週間は退院後も自宅安静をお願いしています。

 

スポーツ復帰・重労働について

復帰時期は主治医との相談となりますが、片足でつま先立ちがゆっくりと確実にできるようになったら、徐々にスポーツに復帰することを許可しています。最初から全力でやるのではなく、労働もスポーツも徐々にならしてから、その上で制限なく運動や労働をしてください。筋力が戻らない状態で無理に運動や重労働を行うと、再断裂が起こる可能性が高くなるので注意してください。 保存療法の場合、これらの復帰は治療開始後8~9カ月頃となることが多いです。
手術療法の場合は術後3カ月程度となります。
ただし、ともにリハビリをどれだけしっかりできるかによって個人差が出ます。

 

<保存療法と手術療法 経過表>

保存療法と手術療法 経過表

 

アキレス腱断裂に対する手術療法の比較研究について

当院では、18歳以上59歳以下のアキレス腱断裂手術を選択される方のほとんどに比較研究への参加依頼をしております。特徴としては、患者さんが治療方法を選択することはできなくなります。ご自分で手術方法を選択したい場合は不参加となりますが、治療やリハビリ、治療コストが変わることはありません。

 

手稲渓仁会病院の整形外科では、アキレス腱断裂に対し手術を施行した患者さんを対象に手術方法による術後経過を検証し、その結果を今後の治療とリハビリに役立てようと考えております。取得致しましたデータ等は、研究、論文などで発表する可能性がございますが、患者さんの氏名をはじめとしたデータは個人情報として扱い、公表はされません。

 

【目的】
アキレス腱断裂手術の方法の違いによる術後経過の検証

【方法】
二種類の手術方法(上記参照)から患者さんにどちらか一方の手術を割り当てます。その手術を行い、その後のリハビリや筋力の経過についてリハビリや診察の際にデータを採取します。

【注意事項】
手術方法に関してはこちらで振り分けるため、患者さんが縫合方法を自分で選択したい場合はこの研究の対象とはなりません。
万が一、合併症が発生した場合は研究の対象から除外され、その状況に応じた治療を開始します。手術方法が割り当てられたあとでも、手術方式の変更や研究への参加の取りやめは可能ですので、遠慮なく申し出てください。

 

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