センター概要
当院では、1998年4月に「医薬品の臨床試験の実施の基準(いわゆる新GCP:Good Clinical Practice)」に適合した治験実施体制をスタートさせ、2001年5月には、さらに治験を円滑に促進することを目的として、医師・薬剤師・看護師・医事職員からなる治験管理センターを開設しました。現在は、11名のスタッフで業務を行っております。治験事務局は、治験審査委員会(IRB :Institutional Review Board)事務局も兼ね、治験の受託から終了までの多くの文書の作成、保管管理、費用算出、契約手続きに関する業務を行っております。また、治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)は、治験に参加していただく患者さま(被験者)、治験担当医師、治験依頼者(主に製薬企業)を結ぶ重要なパイプ役として、治験の実施に関するさまざまなサポートを行っております。当センターでは現在、薬剤師4名、看護師3名の計7名のCRCがそれぞれの専門性をフルに発揮し、連携しながら業務を行っており、うち6名が日本臨床薬理学会のCRC認定を取得しています。当院の特徴のひとつとして、全国に先駆けて立ち上げた「治験ネットワーク」があります。当院はネットワークの中核病院として、参加医療機関のIRBの代行と患者さま(被験者)の緊急時対応などの役割を担っております。治験の実施には、被験者さまをはじめ院内外の多くの部署やスタッフとの協力が不可欠です。今後も被験者さまの安全の確保と権利の尊重を第一に、科学性・倫理性・信頼性に基づく質の高い治験を推進していきたいと考えております。
治験について
■薬ができるまで
「薬」は多くの「くすりの候補」について、有効性(効果)と安全性(副作用)が調べられ、人々の命や健康に役立つことが証明されたものだけが国(厚生労働省)から「くすり(医薬品)」として認められ、世に出るようになります。
基礎研究:まず初めは、製薬企業等の研究室で化学的に合成されたり、天然に存在している物質から抽出されたりした何百何千という化合物の中から、目的とする作用を持ったいくつかの「くすりの候補」を選び出すことから始まります。
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非臨床試験:次のステップは動物実験です。ネズミ・ウサギ・イヌなどを使って、有効性(効果)と安全性(副作用)や安全域(毒性の有無や程度など)をくわしく調べます。
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臨床試験:最後に、「くすりの候補」が果たして人でどのような有効性(効果)と安全性(副作用)を示すかが調べられます。たとえば、動物では安全なのに人では副作用を起こすことがあります。それは人と動物では体のしくみが違っているためで、動物実験の結果をそのまま人に当てはめることはできないのです。
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承認申請:「くすりの候補」が「薬」として認められるためにここまで集められたデータに基づいて(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の審査を経て)国(厚生労働省、薬事・食品衛生審議会)が審議し、承認します。
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■治験とは?
人での有効性や安全性について調べる試験を一般に「臨床試験」といいますが、「くすりの候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験は、特に「治験」と呼ばれています。
■治験の段階
治験では通常3つのステップ(相)を踏んで、順番に各段階での安全性や有効性を確認しながら開発を進めます。これらの試験で得られたデータや臨床成績をまとめ、国(厚生労働省)に承認申請を行います。
■治験のルール
治験は病院で行われます。治験を行う病院は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP)という規則に定められた要件を満足する病院が選ばれます。当院ではGCPに従い、治験に参加される患者さまの権利、安全及び福祉を保護し注意を払っています。
それらの要件とは
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• 医療設備が充分に整っていること
• 責任を持って治験を実施する医師、薬剤師、看護師などがそろっていること
• 治験の内容を審査する委員会(治験審査委員会※)を利用できること
• 緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行えること
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などが挙げられます。
(※科学的及び倫理的の両面から治験の妥当性、信頼性、安全性などを評価し、受託の可否を決定する機関)
■インフォームド・コンセント
医師から、治験の目的、方法、治験に参加しない場合の治療法、「くすりの候補」の予測される効果と副作用などが書かれた「説明文書」を手渡され、その内容がくわしく説明されます。患者さまは、わからないこと、確認したいことなど、納得するまでどんなことでも質問することができます。そして、治験に参加するかしないかは、だれからも強制されることはありません。ご自分の意思で決めてください。説明を受けたその場で決めず、説明文書を持ち帰って家族と相談してから決めることもできます。参加することに同意いただきましたら、「同意文書」に患者さまと治験を担当する医師が署名し、同意文書の控えと説明文書は患者さまに渡されます。
■安心して治験に参加していただくために
患者さまの治験実施において、医師と病院の他スタッフと連携をとりながら、治験が適正かつ円滑に実施できるように、当院では治験コーディネーターと呼ばれる薬剤師・看護師が医師の治験業務に協力しています。
治験のコーディネーターとは?
~CRC:Clinical Research Coordinator~
治験コーディネーター(CRC)は、患者さまと医師、治験依頼者と重要なパイプ役として治験が適正かつ円滑に実施されるように支援する役割を担っています。 患者さまにわかりやすい治験の実施をめざして、薬剤師・看護師CRCがそれぞれの専門性をフルに発揮し、病院スタッフと連携しながら治験のさまざまな段階を調整する治験協力者です。副作用の発生に対するケアや薬の投与方法や検査内容、来院スケジュールなど治験の内容について詳しく補足説明し、主治医と連携し精神面・身体面をサポートしていきます。治験中も不安や疑問に対応します。