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失神 手稲渓仁会病院 循環器内科

失神とは一時的な意識消失のことをさします。一過性であるため、脳梗塞のように神経障害は残しませんが、転倒により外傷を負ったり、繰り返す場合には生活の質が著しく損なわれたりします。
失神のポイントは原因疾患がさまざまであり、それぞれ治療方法が異なることです。また、診断を行う上で、失神の時の状況、前駆症状、回復の早さが最も診断に有効であること、逆に入院して精査を行っても20-30%は診断がつかないことが失神の難しいことです。

原因、問診・検査、治療法について述べます:

原因

神経調節性失神
  • 血管迷走神経性失神:学校の朝礼で倒れる人がいるように、長時間同じ姿勢を維持した後に倒れるのが特徴です。
  • 頸動脈洞過敏症候群:首をのばしたり、首にものを巻いたりして失神するのが特徴です。
  • 状況失神:排便、排尿、嚥下、吹奏楽などによる失神
起立性低血圧
いわゆる立ちくらみです。
パーキンソン病などの中枢神経障害、糖尿病などの末梢神経障害、脊髄障害などさまざまです。また、循環血液量の低下、急性出血に伴う貧血などでも起立時の失神を来たします。
循環器疾患による失神
一般にアダムス・ストークス発作と言われます。命取りになることが多く、積極的な治療が必要になります。
  • 徐脈性不整脈(洞機能不全症、房室ブロックなど)
  • 頻脈性不整脈(発作性上室性不整脈、心室頻拍、心室細動など)
  • 大動脈狭窄症などの弁膜症、肥大型心筋症、心臓腫瘍、大動脈解離、肺塞栓症、鎖骨窩動脈盗血症候群
神経疾患による失神
  • てんかん発作
  • 脳血管障害

問診・検査

外来でよく聞かれる質問は以下の通りであり、整理しておくとより正確に診断が可能になります。

  • 性状:体位、立っている時の失神か、姿勢を変えた時の失神か。
  • 経過:初めて失神したのはいつか。これまで何回あったか。どのくらい症状は続いたか。
  • 悪化要因:失神に明らかな原因があったか。運動、咳、排尿などの関係は。
  • 付随する所見:失神の前・中・後に他の症状を認めたか。けいれんを認めたか。基礎疾患や内服薬剤の有無。

外来で行う検査としては心電図、運動負荷試験、24時間ホルター心電図、レントゲン、心エコー、加算平均心電図などがあります。これらと正確な問診があれば80%の失神は診断に至ります。しかし、失神時の記憶がなく、目撃者がいないなどの場合には問診が困難なこともあります。これらに対しては時に入院して検査を行います。入院をして行う検査としてはティルト検査(神経調節性失神を疑う場合、長時間の立位保持と薬剤負荷で失神の誘発試験を行います)、電気生理検査(不整脈を疑う場合に、カテーテル検査にて心臓にいろいろな電気刺激を加え、不整脈の誘発試験を行います。検査は1、2時間で終わります)などがあります。

治療方法

心臓が原因の場合は致命的となる場合があるので、積極的に治療するのに対し、心臓外の例えば神経調節性失神などは有効な治療方法が少なく、予後も悪くないので、経過観察するものもあります。それぞれみていくと:

ペースメーカー埋め込み手術
徐脈性不整脈や重症な神経調節性失神に対し行います。手術時間は1時間程度で当施設では年間100例程行っております。
体内式除細動器埋め込み術(ICD)
致死的不整脈である心室性不整脈を認めた場合に埋め込みます。少し大き目のペースメーカーのようなものです。手術時間は1、2時間程度です。
カテーテルアブレーション
頻脈性不整脈による失神の場合に、不整脈を根治的に治す方法になります。原因不整脈により治療時間もさまざまですが1時間から数時間程度です。
内服治療
頻脈性不整脈や神経調節性失神に対し有効なことがありますが、薬剤治療の欠点は100%防げない可能性があることです。
ティルトトレーニング
神経調節性失神に対し失神を誘発し、慣れる方法です。
その他
失神の原因として珍しい肺塞栓症や鎖骨下動脈盗血症候群などは原疾患の治療に準じます。

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