薬剤部では開院以来,院内における「医薬品の適正使用の推進」と「患者ケアの質的向上」を目標に,全病棟を対象とした輸液・注射薬の無菌混合の実施や専任薬剤師の配置など,クリニカルファーマシーの実践に積極的に取り組んでいます.現在の業務は大きく分けて,調剤・製剤・注射薬調剤・薬品管理・医薬品情報・薬剤管理指導(病棟)・治験の7つですが,治験については別組織である治験管理センターに薬剤師を配属して業務を行っています.
調剤室
当院では1998年6月に院外処方箋の発行を開始し,現在では外来処方箋の約95%が院外の調剤薬局で調剤されています.薬剤部では主に入院処方の調剤を行っており,病棟薬剤師が中心となって患者さまの病状,理解度,ADLなどを考慮しながら,最適な剤形,調剤方法を選択し,十分な説明をした上でお薬を提供するように努力しています.また夜間の救急外来の患者さまのお薬についても院内の当直薬剤師が対応しています.
製剤室
薬剤師固有の職能である製剤業務には積極的に取り組んでおり,注射薬,点眼薬,坐薬など,現在約150種類の院内特殊製剤がマニュアル化され,院内の医師からの依頼に応じて調製を行っています.また,既存の製剤品のみならず,新規製剤への取り組みも積極的に行っています.薬事法などの関係上,院外への供給はできませんが,情報の提供は行っていますので,院内製剤の使用を検討される場合にはご相談ください.
注射薬調剤室
担当薬剤師は用法・用量,配合変化,重複投与のチェックなど,医師による注射処方内容の監査に最重点を置き,処方の適正化に役割を果たすべく業務に取り組んでいます.特に癌化学療法については2004年度に構築した癌化学療法レジメンデータベースを活用した抗癌剤レジメンオーダリングシステムの運用により,患者さまのセーフティーマネジメントの向上を図っています.また,混注業務では,高カロリー輸液は勿論,一般輸液,抗癌剤(外来を含む)に至るまでクリーンルームに設置したクリーンベンチ(クラス100レベル)及び安全キャビネット(同)内で無菌的に混合し,各病棟及び外来化学療法室に安全な薬剤を供給しています.
薬品管理係
薬品管理係は,輸血用血液製剤を除くすべての院内採用医薬品の購入・管理・供給を行っています.最近,マスコミ報道において医薬品に関連した事故や盗難・不正使用についての記事が多く見られます.担当者は,これらの防止のためにも病棟配置薬を含め院内在庫の厳正な管理に努めています.
医薬品情報室
医薬品情報室では,院内採用医薬品を始めとする医療用医薬品,一般薬(大衆薬),海外の医薬品あるいは患者さまの薬物治療に関する様々な情報などを収集し,各スタッフへの提供を行っています.
主な業務としては,次のものが挙げられます.
1)院内採用医薬品に関する情報(添付文書,インタビューフォーム等)が改訂された場合には,製薬企業等からの速やかな情報収集に努め,それらを整理し関連部署へ提供しています.
2)院内のスタッフから寄せられる薬に関する様々な質問(薬剤の選択,治療計画,副作用,医薬品の配合変化,医薬品の鑑別など)に対応し,治療への支援を行っています.
3)薬事委員会(当院での採用申請のあった医薬品の有効性・安全性等を検討し,採否を審議する委員会)の資料作成および説明を行い,それらの情報の管理を行っています.
4)電子カルテネットワーク上の院内ホームページにて,新規採用医薬品情報や厚生労働省から発行される医薬品関連情報等について随時更新を行っています.
5)当院で導入されている処方オーダリングシステムの医薬品マスター等の管理を行っています.
6)当院で治療に用いられる癌化学療法レジメンや薬に関する質問についての検索が行えるシステムを構築しています.
病棟係
専任の薬剤師を各病棟に1~2名ずつ配置し,患者さまの入院から退院までの薬物療法の薬学的管理に取り組んでいます.具体的には,一般薬を含めた医薬品に関する患者さまからの相談への対応や使用薬剤の服薬指導,投与中の薬剤の効果・副作用のモニタリング,薬物血中濃度や血液・生化学データに基づいた薬物投与設計の支援などです.