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札幌市療養病床協会 市民公開シンポジウム開催
[2007.06.08]札幌市療養病床協会は、4月21日、札幌市社会福祉総合センター大研修室で『これからの療養病床の行方 ~入院患者ご家族の声をもとに考える~』と題した市民公開シンポジウムを開催しました。参加者は協会員、医療関係者に一般市民45名を含む334名。取材に訪れた多数の報道陣がこの問題に注がれる関心の高さを示していました。
これからの療養病床の行方を考える
療養病床には、主に自宅介護が困難で長期治療が必要な高齢者の方が入院されています。厚生労働省は2006年、全国38万の療養病床を2012年3月末までに15万床まで削減、23万床を老人保健施設などに転換する方針を発表しました。
定山渓病院が事務局を務める札幌市療養病床協会(会長:同院院長 中川翼)は1月、療養病床削減に関するアンケート調査を実施。市内15の病院に入院されている患者さまのご家族4140世帯にアンケートを発送し、66.3%という高い回答率を得ました。
厚生労働省は療養病床削減の理由として、「7割の患者は在宅や老人保健施設などで対応可能であり、5割の患者は入院の必要がない」としています。しかし、アンケート回答者の95%は、在宅介護は不可能と回答しています。アンケートの自由意見欄への書き込みには不安や憤りが目立ち、厚生労働省の進める療養病床削減政策は財政上の理由にあるとの見方など、療養病床削減策を疑問視する意見が多く見られました。
調査結果を受け札幌市療養病床協会は、4月21日、札幌市社会福祉総合センター大研修室で『これからの療養病床の行方 ~入院患者ご家族の声をもとに考える~』と題した市民公開シンポジウムを開催しました。参加者は協会員、医療関係者に一般市民45名を含む334名。取材に訪れた多数の報道陣がこの問題に注がれる関心の高さを示していました。
シンポジウムは、療養病床の現状とアンケート調査結果について発表されたあと、中川会長を司会に療養病床協会員、患者さまのご家族など5名のシンポジストと参加者全体から、療養病床削減問題について広く発言を求める形で行われました。
一般参加者から「介護保険制度によって老後は安心できると言われていたのにとても悔しい」などの声が聞かれ、シンポジストをはじめとする医療関係者からは、入院する患者さまに対する医療と介護の両方の必要性、家族の負担などについての心配が述べられました。
また患者数減少による病院の経営悪化が見込まれ、道内ではすでに閉鎖した病院もあり、中川会長は「お年寄りを抱える国民のみなさんや病院職員が『これでは困るんだ』という声を上げて欲しい。転換が予定されている新しい老健施設には、医療的な整備を求めていきたい」と呼びかけました。
シンポジウム終了後、ある参加者は「息子が療養病床に入っています。自分の行く末のことを考えると不安が募りますし、年齢的に息子のことが気にかかります」と述べていました。療養病床削減が決してお年寄りだけの問題ではないことがうかがえます。
シンポジストの一人で定山渓病院医療福祉課の菊地攻課長は「アンケート調査のきっかけとなったのは、病院祭の時の患者さまのご家族からの要望でした。現場やご家族からの切実な意見をもっと聞きたいです。調査結果を元にどういったアクションを起こしていくかは未定ですが、ご家族の想いというものを、医療従事者として重く受け止めなければならないと感じています」と話します。
