世界の食事の仕方は、その人口のほぼ1/2が手食であり、スプーン・ナイフ・フォーク食と箸食がそれぞれおよそ1/2ずつといわれています。  日本は箸文化圏ですが、食器に直接口を付けて食べるなど飯椀や汁椀は世界でも珍しい発展を遂げ、結果としてですが手の細かな動きを必要とするようになりました。

今回は食事が上手く摂れない方が使う福祉用具について、簡単に特長を記述します。

すくいやすい介護食器

食器[1] 病気や加齢のため、手首をひねる動作が難しくなると食べ物をすくう時に、器の端からこぼれてしまうことがよく見られます。写真のような食器では、器が斜めになっており、食べ物をすくいやすくなっていてオススメです。
この他にも持ち手が大きいコップや斜めで飲みやすいコップなどもあります。
価格は、1,000円~3,000円程度です。

ノンスリップシート

ノンスリップシート[1] 片手しか動かせない、肩や手が痛くてお椀や皿を持つ・掴む・押さえる事ができず器が動いてしまうという方。そんなときはシリコン製やゴム製のすべり止めがオススメです。薄いものの方が食器は安定します。
価格は、1,000円~2,000円程度です。

保持支援機能のついた箸

箸[1] 手の力が弱くなった、利き手が使えない、それでも箸で食事がしたいという方にオススメです。箸同士が連結されているので、どんな持ち方でも簡単につかむことができます。
私は右利きですが、左手でも写真のように簡単に食べ物をつかむことができました。
価格は2,000円~3,000円程度です。

介護スプーン・フォーク

スプーン[1]スプーン・フォークはかなりの種類があります。例えば首の部分を曲げたり、捻ったりできる物、柄をスポンジで太くした物、先が割れている物があります。
首を曲げて皿部分の向きを変えることで、腕や手首をうまく動かせなくてもすくいやすく、口に運びやすくなります。また、柄が太い物が手の力が弱い方や指が曲がりにくい方にオススメです。
価格は、1本1,000円程度です。

 

今回紹介した食事関連用具は、ごくほんの一部です。同じような型でも様々な種類があり、値段も異なります。まずはなぜ食事が上手く摂れないのか、食べこぼしが多いのか考えてから、その原因に見合った福祉用具を選ぶ必要があります。

また、福祉用具は価格が高い印象があります。福祉メーカーのスプーンや箸は壊れにくかったり、耐熱性に優れている等色々なメリットはありますが、某 100円均一店でも似たような商品がありますので、一度参考のため購入してみても良いでしょう。滑り止めについても、代用できる滑り止めマットが安価で 売っており、効果も十分期待できるものです。

お問い合わせ

リハビリテーション部 作業療法士 : 高橋 義幸
Eメール:chsreh@keijinkai.or.jp